歯周病と全身疾患
実は全身疾患の原因となる怖い病気
また、歯周病の怖い点は歯が抜け落ちるだけでなく、それによって全身疾患を引き起こす危険性があることだ。
歯周病は細菌による感染症の一種だが、歯ぐきの血管から侵入した歯周病菌が血液に乗って全身を駆け回ることで、さまざまな臓器や器官に入り込むことが考えられる。
「最近の研究では、歯周病菌が循環器系や代謝系の病気を引き起こしたり、進行させたりするリスクファクター(危険因子)のひとつとなることがわかってきました。
心疾患や心筋梗塞の傾向を持っている人では、心臓発作の発症率が20%アップします。糖尿病の場合も、歯周病菌が糖代謝に大きく影響を及ぼし、血糖コントロールが非常に悪くなることが明らかになっています。
また、歯垢で繁殖した細菌が直接、気管に侵入して、肺炎の原因となる細菌の活動を活発化することもわかってきました」
若林先生の話を聞けば聞くほど、歯周病の恐ろしさにがく然となる。
同時に、子どものころから虫歯や歯並びについてはあれこれいわれても、歯周病について詳しい説明を受ける機会がなかったことが残念といえば残念である。
この機会に、歯周病のケアについてしっかり学ぶしかない。